研究課題/領域番号 |
11138228
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (30146708)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | がん転移抑制 / 遺伝子欠損マウス / 血管新生 / Ras / RECK |
研究概要 |
(1)RECK遺伝子の第一エクソンをPGKneo発現カセットに置換した変異マウスを作成した(理化学研究所・糸原重美博士、ハーバード大学・高橋智聡博士らとの共同研究)。ヘテロ欠損マウスには明らかな異常は見られなかったが、ヘテロ欠損マウス同士の交配によって生まれた子供は、全て野性型又はヘテロ接合体でるため、ホモ変異が胎性致死である事が示唆された。胎児の死亡時期を調べたところ、ホモ変異を持つ胎児の内、心拍が見られるものは10.5日胚で約3割、11.5日胚では皆無であった。RECK欠損10.5日胚は発育がやや悪く(大きさが野性型の約80%以下)、しばしば腹部に内出血が見られた。モノクローナル抗体を用いてこの時期の野性型マウスにおけるRECKの発現を調べたところ、結合組織に広く発現が見られると共に、特に、血管周辺と神経管周辺に強い染色が見られた。CD31抗体による血管内皮細胞の染色では、血管系の形成は起こっているが、大型血管と微小血管との分化が不十分と考えられた。また、神経管の変形や断裂がしばしば見出された。これらの結果より、RECKがマウスの発生にとって必須である事が示唆された。 (2)RECKの発現がタンパク質分解酵素に与える影響を、培養がん細胞への遺伝子導入、ゼラチン・ザイモグラフィー、蛍光基質を用いた酵素アッセイ等を用いて解析した。その結果、RECKがpro-MMP-2の活性化を抑制することが見出された。 (3)デュアル・ルシフェラーゼ法を用いることによって、マウスRECK遺伝子の上流域に存在するRasネガティブ応答配列の一つが転写開始部位の直下に存在するSp1サイトである事を明らかにした。
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