研究課題/領域番号 |
11138249
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
徳留 信寛 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00037441)
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研究分担者 |
武隈 清 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50315876)
佐藤 寿一 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10285223)
永谷 照男 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (40144018)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 大腸腫瘍摘除 / 腫瘍発生 / 脂肪摂取 / n-3多価不飽和脂肪酸 / 無作為割付臨床試験 |
研究概要 |
われわれは大腸がんの一次予防のために、大腸腫瘍(腺腫・腺腫内がん)摘除後の腫瘍発生に関する無作為割付臨床試験(RCT)と併行して、大腸がん・大腸腺腫の症例対照研究、大腸腺腫患者のフォローアップ、栄養士集団の長期フォローアップ、有酸素運動集団のフォローアップなど多角的・総合的な研究を行っている。 ここでは大腸腫瘍摘除後の腫瘍発生に関するRCTの進捗状況と中間結果について報告する。大腸腫瘍の内視鏡的摘除を受けた患者を、実験群・対照群に無作為に割付け、実験群には、a)総脂肪摂取抑制、b)n-6多価不飽和脂肪酸(n-6PUFA)(リノール酸など)を多く含む植物油摂取の抑制、c)魚介類摂取の勧奨、d)α-リノレン酸を多く含むしそ油摂取の勧奨、e)魚油摂取の勧奨を行い,対照群には総脂肪酸摂取抑制のみを介入している。 これまでに研究対象者85名(男65名、女20名)のうち、実験群41名、対照群35名に対して介入を実施した。血漿中総脂肪酸は実験群および対照群とも二減少していた。実験群では摂取を抑制したn-6PUFAは減少し、摂取を勧奨したn-3PUFAは上昇し、その結果、n-6PUFA/n-3PUFA、アラキドン酸(AA)/EPA、AA/DHAは低下していた。なお、プロトロンビン時間(%)および過酸化脂質は、副作用が出現するほどの値ではなかった。エンドポイントとして、介入後12ヶ月および介入後24ヶ月の腫瘍発生率は、両群間に差はなかったが、介入後12ヶ月から介入後24ヶ月の間の腫瘍発生率は、実験群で低い傾向にあった。介入後24ヶ月の腫瘍の個数は、実験群に少ない傾向にあったが、腫瘍の大きさは、両群間に差は認められなかった。 介入後12ヶ月におけるポリープ発見率は実験群75%、対照群は83%であり、ポリープ0個の者を含めずに算出した平均ポリープ数は実験群1.8個、対照群2.4個であった。また、ポリープ0個の割合は実験群25%、対照群17%であった。 今後、対象数を増やし、コンプライアンスを維持し,中間マーカーの分析を試み、エンドポイントの解析に耐えうるデータ維持・管理を継続する必要がある。
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