研究課題/領域番号 |
11138254
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
濱野 慶朋 順天堂大学, 医学部, 助手 (10281354)
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研究分担者 |
広瀬 幸子 順天堂大学, 医学部, 助教授 (00127127)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | B細胞性慢性リンパ性白血病 / 自己免疫疾患 / New Zealand White マウス / 位置的候補遺伝子 / prolactin |
研究概要 |
[背景と目的] B細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLL)はB1細胞由来の遺伝性腫瘍である。B1細胞は自然・自己抗体を産生する細胞なのでB-CLLは自己免疫疾患と関連した疾患と考えられる。一方、細胞の腫瘍化には複数の多段階遺伝子変異が関与しているとされるが、B-CLLについては、まず特定のクローンの自己抗原による選択とその後に続く増殖機構が遺伝子変異の根底を成していることが想定される。我々はB-CLLの自然発症モデルであるNew Zealand White(NZW) マウスを用いた連鎖解析から、マウスの第13染色体セントロメア側にB1細胞異常増殖感受性遺伝子Bpalの存在を明らかにしてきた。今回はその位置的候補遺伝子の1つであるprl即ちprolactin の構造遺伝子の多型及びB細胞に対するprolactin の作用について検討した。 [結果](1)連鎖解析にはNZWと健常のB10マウスを用いたので、この2系に関しprl遺伝子の塩基配列を検討した。その結果コード領域には多型は認められなかった。現在、統御領域について解析を進めている。(2)血清prolactin 濃度をRIAで測定したところ、NZWはB10に比べ、特に若齢で血清prolactin 濃度が有意に低値であった。(3)In vitro で、prolactin はマウス脾細胞およびB1-richな腹腔細胞の免疫グロブリン産生を用量依存的に増強した。また、IL-5と協同してリンパ球の増殖を抑制し、免疫グロブリン産生を増強した。 [考察]以上より、マウスにおいてprolactin はB1細胞を含むB細胞の増殖・分化に関わる因子であり、増殖抑制、分化促進作用をもつことが示唆された。NZWでprolactin の血中濃度が低いことを考慮すると、NZWではB1細胞の分化が抑制され、増殖が亢進するという増殖・分化の乖離が起こっており、これがB-CLL発症の一要因である可能性が考えられた。
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