研究課題/領域番号 |
11138256
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00037342)
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研究分担者 |
伊東 理世子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10140865)
高木 康光 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (20212003)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 発がん / 遺伝子欠損マウス / アルキル化剤 / ミスマッチ修復 / 胸腺腫 / DNA修復 / アポトーシス / メチルトランスフェラーゼ |
研究概要 |
アルキル化剤によってDNAにつくられるO^6-メチルグアニンは塩基の誤対合をひき起こし、それが結果として突然変異、さらに発がんをひき起こす。O^6-メチルグアニンを修復する酵素(O^6-メチルグアニン DNA メチルトランスフェラーゼ)の遺伝子を欠くマウス(MGMT^<-/->)は、ごく低量のメチルニトロソウレア(MNU)投与によってがんを生じる。MGMT^<-/->マウスはアルキル化剤の致死作用に対しても感受性が高く、そのLD_<50>は野生型の1/10以下であった。これはO^6-メチルグアニンがアポトーシスをひき起こすことによると考えられ、その過程にはミスマッチ修復系が関与する可能性がある。MGMT欠損に加えてミスマッチ修復に関わる遺伝子の1つであるMLH1を欠損したマウスを作って解析したところ、MGMT^<-/->MLH1^<-/->マウスはアルキル化剤の致死作用に対して野生型のマウスと同程度の抵抗性を示したが、野生型マウスと異なりアルキル化剤の発がん作用に対してきわめて高い感受性を示した。しかし、MGMT^<-/->MLH1^<+/->マウスはPBS投与のコントロールでも相当高い頻度(約20%)で発がんするので、この系でのアルキル化剤の発がん性を検討するのは問題がある。そこでMLH1遺伝子に関してヘテロのマウスを作出し、それについてMNUに対する抵抗性と発がん感受性を検討した。その結果MGMT^<-/->MLH1^<+/->マウスのLD_<50>は120mg/kgで、野生型よりは若干感受性が高かったが、MGMT遺伝子単独欠損のマウスに比べてはるかに抵抗性であった。MGMT^<-/->MLH1^<+/->マウスに30mg/kgのMNUを投与したところ、40%のマウスに胸腺腫が認められた。一方PBS投与のコントロールでは期間内にはがんは生じなかった。この結果はMGMT^<-/->MLH1^<+/->マウスの系がアルキル化作用をもつ物質の発がん性を検討する上で有用なことを示している。
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