研究課題/領域番号 |
11138264
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
北林 一生 国立がんセンター研究所, 放射線研究部, 室長 (20261175)
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研究分担者 |
清水 喜美子 国立がんセンター研究所, 放射線研究部, 主任研究官 (00161414)
諸星 文子 国立がんセンター研究所, 放射線研究部, 研究員 (20157944)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 白血病 / ヒストンアセチル化 / 細胞分化 / 転写因子 / 染色体転座 |
研究概要 |
急性骨髄性白血病に見られるt(8;21)転座により生じるAML1-MTG8融合遺伝子をマウス骨髄系細胞株L-Gに導入すると、L-G細胞の分化は阻害され増殖が著しく促進され、その分化阻害は本来のAML1遺伝子の主要産物であるAML1bを発現させることにより可逆的に回復されることから、AML1bには好中球に分化させる機能があり、AML1-MTG8はAML1bと拮抗して作用することによって白血病発症の原因となると考えられた。AML1-MTG8によるL-G細胞の分化阻害に関与する機能ドメインを同定し、この領域には、新規に同定したMTG8のファミリータンパク質MTGR1及びMTG16が結合することから、AML1-MTG8はMTGR1またはMTG16との複合体を形成して作用し、さらに、AML1-MTG8はMTG16及びMTGR1との結合を介してヒストン脱アセチル化酵素と複合体を形成して作用し、転写を抑制することを示した。また、転写因子AML1はヒストンアセチル化酵素p300(CBP)と複合体を形成して転写を活性化することを明らかにした。一方、急性骨髄性白血病で見られたt(8;22)転座について解析し、アセチル化酵素をコードするMOZ遺伝子がp300遺伝子と融合して融合ヒストンアセチル化酵素が発現することを明らかにした。急性骨髄性白血病に見られるt(8;16)転座により生じるMOZ-CBP融合遺伝子産物はAML1やp53による転写活性化を著しく阻害することを明らかにした。このように、白血病発症においてヒストンアセチル化の制御が重要であることが示された。
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