研究課題/領域番号 |
11138267
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
清野 透 愛知県がんセンター, ウイルス部, 室長 (10186356)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1999年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
|
キーワード | ヒトパピローマウイルス(MTV) / E6 / c-myc / テロメラーゼ / TERT / ヒトパピローマウイルス(HPV) |
研究概要 |
テロメラーゼの活性化は全癌の85%以上に共通に見られるがんに特異性の高い変化である。これまでにテロメラーゼを活性化する事が知られている遺伝子はテロメラーゼ自身の逆転写酵素触媒サブユニット(TERT : human telomerase reverse transcriptase)のほかにいわゆる"高発がん性"ヒトパピローマウイルス(HPV)のE6と癌遺伝子のc-mycがある。テロメラーゼの活性化機構を解明するため、これらの遺伝子のテロメラーゼにおける作用を解析し、以下の点を明らかにした。 1.HPV16E6,c-mycによるテロメラーゼの活性化は共にTERTの発現誘導を介したものである。 2.初代ヒト線維芽細胞においては、E6もc-mycもテロメラーゼを活性化させることはできない。 3.初代ヒト乳腺上皮細胞においてE6はc-mycの発現増加をさせることなくテロメラーゼを活性化させることができる。一方、E7はc-mycの発現を増加させるがテロメラーゼを活性化させることはできない。しかし、E6とE7を共に発現させるとE6単独導入に比ベテロメラーゼを強く活性化する。 4.イーストthree hybrid法を用い、E6/E6AP複合体に結合する新たな細胞蛋白質のcDNAを複数単離し、一部については抗体を作出した。 これらの結果より以下の仮説が導かれた。 1.E6はTERT遺伝子領域のクロマチン構造を変化させ転写因子Mycのアクセスを可能にし、TERTの転写を増加させる。 2.E6とE7が共発現する乳腺上皮細胞ではE7がMycの量を上げると共に、E6はMycによるTERTプロモーターの活性化を助けることで強いテロメラーゼの活性化が誘導される。 3.E6/E6AP複合体は、TERT遺伝子にヒストン脱アセチル化酵素のような蛋白質をリクルートするDNA結合蛋白質の分解を促進することによりクロマチン構造を変化させる可能性が推定された。
|