研究課題/領域番号 |
11139206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 肝特異的転写因子 / 肝臓幹様細胞 / oval cell / HNF-1 / レチノイン酸 / EGF |
研究概要 |
要約 肝特異的転写因子をトランスフェクションしてアルブミンを発現することが出来るかどうか、in vitro系で検討した。その結果、肝特異的転写因子をトランスフェクションした肝臓幹様細胞SD-SLC/HNF-1は、コラーゲンの2次元培養系ではアルブミンを合成できるようになるが、ここにレチノイン酸やEGFを添加するとアルブミン合成は抑制された。 結果 1)SD-SLCにHNF-1遺伝子導入して9株の永久株を樹立できた。一方、oval cellは導入後の増殖が悪いために現在のところ永久株は確立できなかった。そこで、本実験では樹立化に成功した3種のSD-SLC/HNF-1株を用いた。 2)SD-SLC/HNF-1は2次元細胞培養系でレチノイン酸を添加すると、アルブミン、AFP、HNF-4、γGTPのmRNA発現を減少させたが、一方C/EBPを増加させた。SD-SLC/HNF-1に対するEGFの効果は濃度依存性にアルブミンの発現を抑制した。ところが、コントロールSD-SLCに対してはEGFは最適濃度では発現増加を示した。 3)コラーゲンコート上(1次元培養系)でSD-SLC/HNF-1、SD-SLC/vectorのみ、SD-SLCの3種の細胞株を培養したとき、この順番でアルブミンが強く発現した。 考察 我々の樹立した細胞と従来報告されたoval cellと相違する点は、培養初期からアルブミン合成能がないことや肝細胞転写因子のうちHNF-3βしか発現していないことである。肝特異的転写因子をトランスフェクションしてアルブミンを発現することが出来るかどうか、in vitro系で検討した。その結果、肝特異的転写因子(HNF-1)をトランスフェクションした肝臓幹様細胞SD-SLC/HNF-1は、コラーゲンの2次元培養系ではアルブミンを合成できるようになるが、ここにレチノイン酸やEGFを添加するとアルブミン合成は抑制された。このことは、これらの因子は肝臓幹様細胞を脱分化する働きがあると考えられた。
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