研究課題/領域番号 |
11139228
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古川 鋼一 名古屋大学, 医学部, 教授 (80211530)
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研究分担者 |
沼田 真一郎 名古屋大学, 医学部, 助手 (20311714)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | ガングリオシド / メラノーマ / 細胞増殖 / シグナル / GD3 / 糖転移酵素 |
研究概要 |
本研究ではヒトのメラノーマ細胞、PC12細胞などを用いて、GD3合成酵素遺伝子の操作による糖鎖リモデリングを行い、GD3発現によって誘導される細胞増殖亢進の分子機構の解明を目ざした。 (1)GD3合成酵素遺伝子を導入したPC12細胞における細胞内シグナル分子の変化を検討した。これらの遺伝子導入細胞ではTrkA、MAPキナーゼが恒常的に活性化しており、NGFの刺激前も刺激後120分も全く変化しなかった。更にクロスリンキング法による二量体形成の有無の検討を行ったところ、全ての遺伝子導入・発現細胞においてNGF刺激に関係なく二量体bandが検出された。コントロールでは刺激後のみに二量体bandを認めた。 (2)GD3合成酵素遺伝子の発現を抑制するために、cDNAの全長又は2種の部分配列を逆方向に発現ベクターに挿入したアンチセンスcDNAベクターを作成し、各々の変異細胞株を樹立した。最短のアンチセンス導入細胞を除いて、GD3発現レベルが約5分の1に低下すると共に、細胞増殖度が約2分の1に低下した。 (3)ヒト培養メラノサイトに対し、メラノサイトにGD3合成酵素遺伝子を安定発現させ、その形質変化を観察した。細胞が紡錘型から上皮型に形態変化し突起の短縮を認めたが、増殖度には変化を認めなかった。 (4)ヒトメラノーマ細胞株MeWoの培養液中に抗GD3抗体R24を添加したところ、約10μg/mlの濃度で著明な増殖抑制が認められた。同時にPI染色で細胞死が認められ、GD3を介する細胞死の誘導が示された。 ガングリオシド糖鎖による増殖因子受容体のmodulationについては以前から提唱されてきたが、今回、TrkAの恒常的リン酸化と二量体形成など、化学構造上の変化が、糖鎖変化により惹起されることが初めて示された。また、今回示されたメラノーマ細胞におけるGD3発現レベルと増殖度の相関や、抗GD3抗体による培養メラノーマの増殖抑制効果はGD3の役割を再認識させるものであり、現在、抗体による増殖抑制の分子機序を解明中である。
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