研究課題/領域番号 |
11139245
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 彰彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80273647)
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研究分担者 |
北村 幸彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70028520)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | B16メラノーマ / ギャップ結合 / パキシリン / リン酸化 / 接着斑 |
研究概要 |
マウス・メラノーマ細胞株B16の亜株のうち、実験的転移能(静注後肺転移)と自然転移能(皮下注後肺転移)を有するBL6細胞と、実験的転移能のみを有するF10細胞との間でcDNAライブラリーのサブトラクションを行った。BL6細胞において高発現を示す遺伝子として、コネキシン26と、プロテイン・フォスファターゼ2A(PP2A)制御サブユニットB56γ変異型アイソフォームΔγ1を単離した。コネキシン26は表皮細胞、肝細胞のがん化過程においてはその発現が低下する。一方メラノサイト及びその良性・悪性腫瘍細胞においてコネキシン26の発現はまだ調べられていない。Δγ1はPP2AB56遺伝子におけるレトロトランスポゾン挿入がもたらす変異型アイソフォームで、B56γ1アイソフォームのN末の100アミノ酸が欠失している。PP2Aの阻害剤オカダ酸が発がん作用を持つことから、PP2Aは発がん抑制物質として期待される。実験結果:1)メラノーマ細胞はコネキシン26を介して血管内皮細胞とヘテロなギャップ結合を形成できる。2)F10及びBL6細胞においては、ギャップ結合形成能と自然転移能とはよく相関した。3)パキシリンとPP2Aとの接着斑における共局在を見つけた。4)PP2Aの細胞骨格再構成に対する抑制的な機能はパキシリンのリン酸化制御を介していた。5)Δγ1はPP2Aによるセリン脱リン酸化を抑制し、パキシリンの接着斑リクルートを亢進した。考察:1)自然転移能獲得、特に血管内侵入・血管外浸潤において、腫瘍細胞と血管内皮細胞との間のヘテロなギャップ結合形成が重要な役割を果たしている可能性が示された。2)Δγ1はPP2Aによるパキシリン機能制御を破壊し、細胞骨格再構成が迅速化した。発がん抑制におけるPP2Aの作用点の1つがパキシリンである可能性が示された。
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