研究課題/領域番号 |
11139246
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
加藤 順也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (00273839)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
|
キーワード | サイクリン / サイクリン依存キナーゼ / Cdkインヒビター / 細胞周期 |
研究概要 |
Cdkインヒビターp27Kip1は、細胞増殖を負に制御する機構の中核をなす分子であり、固体発生や癌抑制においても重要な役割を果たす。p27Kip1の発現量と腫瘍の悪性度の間に負の相関関係があることが多種多様な癌において報告されている。ただし、これらの腫瘍の大部分においてはKip1遺伝子自身は異変しておらず、また、これら悪性癌においてp27Kip1の分解活性が上昇していることが報告されている。これらのことは、腫瘍の悪性化における遺伝子的標的がp27Kip1の上流にて機能する因子であることを示している。p27Kip1はユビキチン化を介した蛋白質分解経路などによる翻訳後レベルでの制御を受け、また、p27Kip1が発現している場合でも、その機能が他の因子によって阻害される場合があることがわかっているが、その分子レベルでの機構の詳細については不明な点が多い。p27Kip1の関与する発がん抑制機構の具体的な分子メカニズムを解明するために、p27Kip1と特異的に相互作用する蛋白質遺伝子を単離し、そのひとつ(Jab1)がp27Kip1を負に制御することを明らかにした。Jab1の過剰発現はp27Kip1の核外移行と分解を促進し、p27Kip1の持つ細胞増殖阻害能力を抑制した。また、Jab1を構成的に発現する細胞では増殖因子の要求性が低下した。これらの知見から、Jab1はp27Kip1の上流で働く因子であると結論した。さらに、Jab1がp27Kip1を分解に誘導する機構について、さまざまな点・欠失変異体、特異的抗体、化学的阻害剤を駆使して詳細に検討を行っている。現在までのところ、Jab1がp27Kip1を分解に誘導する過程においては、核外輸送、p27Kip1のリン酸化、ユビチキン/プロテアソーム分解機構が関与することを示す知見を得ている。
|