研究課題/領域番号 |
11139263
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中野 裕康 順天堂大学, 医学部, 助手 (70276476)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | NF-kB / Tax / IkB kinase / TRAF / TNF / NSI / アポトーシス / ノックアウトマウス |
研究概要 |
1. HTLV-1のコードするTaxを介するNF-kB活性化のメカニズムを検討した結果、TaxはIkB kinase(IKK) 複合体の構成成分であり、それ自身キナーゼ活性を有するIKKαやIKKβとは直接会合せずに、アダプター分子であるIKKγと直接会合して、IKK複合体を活性化していることが明らかとなった。さらに種々のTax変異体を用いた結果、IKKγの会合とNF-kB活性化能は相関していることが明らかとなった。現在TaxがどのようなメカニズムでIKKのキナーゼを活性化しているかを検討中である。 2. ヒトパルボウイルスB19の非構造タンパクであるNS1がIKKβを活性化してNF-kBの活性化をもたらしていることを明らかにした。その活性化にはNS1の中心領域に存在する約300個のアミノ酸が必要であることが明らかとなった。さらにレポーターアッセイを用いた解析から、NS1を同時に発現させることにより、NS1がTNFによるNF-kBの活性化をsynergistic に増強することが明らかとなった。 3. TNFを介するNF-kBの活性化のメカニズムを明らかにするために、TNFレセプタースーパーファミリーを介するNF-kBの活性化に関与するシグナル伝達分子であるTNF receptor-associated factor 2 (TRAF2) およびTRAF5のダブルノックアウトマウス(DKO)を作製した。DKOよりembryonic fibroblast (EF) を作製し、TNFによるNF-kBの活性化あるいはアポトーシスに対する感受性について検討した。TNFを介するNF-kBの活性化はTRAF2あるいはTRAF5のシングルノックアウトマウス由来のEFでは野性型と同程度に認められるにもかかわらず、ダブルノックアウトマウス由来のEFでは著明に減弱していた。さらにTNF単独処理によりDKO由来のEFには著明なアポトーシスが誘導されることが明らかとなった。これらの解析から、TNFレセプターを介するNF-kBの活性化はTRAF2とTRAF5によって担われている事が明らかとなった。
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