研究課題/領域番号 |
11139268
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
八木 健 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10241241)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1999年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | チロシンリン酸 / カドヘリン / シナプス / 遺伝子クラスター |
研究概要 |
チロシンリン酸化活性は細胞の増殖、分化に重要な情報伝達系であり、細胞のがん化との関連性も示唆されている。本研究ではチロシンリン酸化酵素のFynが実際に細胞のがん化の過程でどの様に機能しているかを解析する目的で、Fyn結合分子の単離・解析を行い、新たなカドヘリンファミリーの(CNRファミリー)の単離に成功した。本年度は特にこのCNRファミリーに注目し、細胞のがん化との関連性を探る目的で、ヒト染色体上での遺伝子座、チロシンリン酸化酵素との細胞内情報伝達における役割を明らかにする研究を遂行した。その結果、CNRは 1)Fynと細胞質領域で結合していること、 2)神経細胞においてシナプスに局在していること、 3)マウスで約20種類からなる新たなカドヘリンファミリーを形成していること、 4)「可変領域」「不変領域」からなるイムノグロブリンやT細胞受容体の遺伝子クラスターと類似した新たな遺伝子クラスター構造をもつこと、 5)CNRの「不変領域」は少なくとも3つ以上の構造をもち、class switch様の発現調節が行われていること、 6)CNRが細胞外分子のReelin蛋白質のレセプターとして機能しており、Fynを含むチロシンリン酸化を介してDab1のリン酸化に関わることを明らかにした。この結果より、細胞のがん化との関連性が示唆されているカドヘリンの新たな情報伝達系が明らかになり、今後のがん研究に大きな展開をもたらすことが期待される。また、新たな遺伝子クラスターを用いたCNRファミリーの発現の調節機構については、既知の概念を超えた考え方が生まれることが予想され、世界的にも競合が激しくなってきている。
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