研究課題/領域番号 |
11140228
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古川 圭子 名古屋大学, 医学部, 助手 (50260732)
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研究分担者 |
沼田 真一郎 名古屋大学, 医学部, 助手 (20311714)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | スフィンゴ糖脂質 / ガングリオシド / GD3合成酵素遺伝子 / メラノーマ / 遺伝子発現 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
近年、メラノーマは欧米諸国のみならず日本においても増加傾向にある。私達は、ヒトメラノーマに特異的に発現する酸性糖脂質GD3を合成するGD3合成酵素cDNAを単離し、そのメラノーマ特異的発現を報告した。そこで本研究においては、GD3合成酵素遺伝子のゲノム遺伝子を単離して、発現調節機構を解析すると共に、メラノーマ特異的発現を担うプロモーター/エンハンサー領域を同定し、これを利用した癌の特異的遺伝子治療法の開発を目的とする。 これまでに、GD3合成酵素ゲノム遺伝子の構造と転写調節領域を解析し、以下の結果を得た。GD3合成酵素ゲノム遺伝子は、1)5個のエキソンより構成され、cap mRNAの解析により転写開始点が、-480〜-410nt(+1:A of ATG)に存在することが判明した。2)本酵素遺伝子強発現メラノーマ細胞株において、本酵素遺伝子5′上流域約2.3kbに弱いプロモーター/エンハンサー活性が存在した。これにSV40エンハンサーを付加することにより、明瞭なプロモーター活性が検出された。また、このプロモーター活性は本酵素遺伝子非発現細胞株では、検出されなかった。3)5′上流域の段階的欠失変異クローンを用いたルシフェラーゼ活性の検討により、-788〜-474ntに、各細胞株における遺伝子発現とよく一致したプロモーター活性が検出された。4)この領域にはTATAボックスはなく、GCボックスが存在し、既知の転写因子結合モチーフとして、MZF1、GATA1、Sp1等のモチーフが存在した。 今後、このように明らかにされた癌細胞特異的発現を担うプロモーター/エンハンサーと、殺細胞遺伝子を組み合わせたレトロウイルス発現ベクターを作製し、癌細胞特異的殺細胞効果について検討を進める。
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