研究課題/領域番号 |
11140240
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久保 一義 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00028846)
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研究分担者 |
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (70207728)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 膜融合リポソーム / アジュバント / CTL / MHC Class I / MHC Class II / 腫瘍免疫 |
研究概要 |
癌治療の最適化を充たすワクチン療法を確立するためには、癌関連抗原を抗原提示細胞上のMHC class I、II両分子に提示させ、細胞性・体液性免疫共に効率よく誘導しなければならない。特に抗腫瘍細胞の中心を担うCTLの誘導には、抗原を抗原提示細胞質内に導入し、内在性抗原として認識させ、MHC class I分子とともに発現させなければならない。本研究では、有用性・安全性が確保された次世代型癌ワクチン療法の創出を目的に、リポソームにセンダイウイルスの膜融合能を付与することにより、リポソーム内に封入した如何なる物質をも直接効率よく細胞質内に導入できる膜融合リポソーム(FL)を駆使して、細胞性・体液性免疫共に効率よく誘導できる新規アジュバントの確立を試みた。その結果、FLは、in vitroにおいて封入抗原を直接細胞質中に導入し、MHC class I抗原提示経路に送達できることが明らかとなった。また、in vitroにおけるFLの抗原送達能を反映して、FLはフロイント完全アジュバントよりも強い細胞傷害性T細胞誘導能を有していた。また、FLは、細胞傷害性T細胞のみならず抗体産生の誘導能をも示した。この効果は、抗原をFL中に封入した際においてのみ誘導されたことから、リポソームにセンダイウイルス由来のエンベロープ蛋白質を付与し、センダイウイルスの生体内挙動を模倣させること、すなわち抗原の体内挙動を制御することが重要であると示唆された。さらにFLは、in vitroにおいてリンパ球に対し増殖促進作用を示したことからimmunomodulatorとして機能し得る可能性が示唆されアジュバント効果の一端を担っていると考えられた。現在、モデル腫瘍を用いてFLの癌ワクチン効果を検討中ある。
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