研究課題/領域番号 |
11140246
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤原 美定 神戸大学, 医学部, 教授 (70030848)
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研究分担者 |
田村 奈緒子 (堀 奈緒子) 神戸大学, 医学部, 助手 (50311783)
野田 朝男 神戸大学, 医学部, 講師 (40294227)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | イオン化放射線 / アポトーシス / Bax / Bcl-XL / VDAC / Bcl-2 / チトクロームc / ミトコンドリア |
研究概要 |
放射線アポートシスの重要なp53依存性経路におけるBax蛋白質が促進するチトクロームc(Cytc)遊離のミトコンドリア(MT)制御機構を研究した。P53発現白血病細胞はX線アポートシスに高感受性であるが、変異p53遺伝子をもつ細胞は著しく抵抗性であった。照射後p53蛋白質は高度のSer-15リン酸化と蓄積によって活性化され、Bcl-2を転写制御し、Baxを促進した。その結果、分離MTではBax量が約10倍(5Gy後6時間)に増え、逆にBcl-2とBcl-XLは時間依存性に減少した。MTでは、界面活性剤で処理しなければBcl-2族間でテヘロ2量体は検出できなかった。MT外膜のVDACはBaxとBcl-XLに結合するが、Bcl-2との結合は有意ではなかった。非照射細胞のMTではBcl-XL/VDACチャネルがMTホメオスタシスを保持しCytc遊離を抑えた。照射後経時に分離MTを分析すると、Bcl-XL/VDACチャネルは減少し、照射直後よりBax/VDACチャネルが直線的に増加した。この増加キネティックスに一致して、分離MTからCytcが遊離した。Rhodamine123を用いると、照射後3時間までの初期ではMT膨張ではなく、Bax/VDACチャネルから40%Cytcが遊離した。照射後3〜6時間の後半期では、MT膨張(内膜PT Poreの開口)、内膜電位(Δψ)低下と残量のCytc遊離が進行し、電子伝達系の異常によってMTでのROS(superoxide anion)産生が進行した。放射線アポトーシスのp53・Bax経路によるCytc遊離の2段階機構が明らかになった。照射後p53非依存性経路でCa^<2+>依存性にアポトーシスとDNA断片化をおこすDNaseγの遺伝子と蛋白質(311アミノ酸)も明らかにした。
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