研究課題/領域番号 |
11140248
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加藤 修 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (90214361)
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研究分担者 |
平田 思 広島大学, 医学部・付属病院, 助手 (60263696)
夜陣 紘治 広島大学, 医学部, 教授 (10136062)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | アポトーシス / ストレス応答 / 転写因子 / 放射線治療 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
電離放射線などのストレスにより発現が誘導され、放射線誘導アポトーシスを増強する機能を持つZK1遺伝子産物のがん細胞における機能について以下の点を明らかにした。 1.ZK1遺伝子産物は導入した全ての細胞株(ヒト上顎がん由来の扁平上皮がん細胞株SCC-TF、子宮頚がん細胞株HeLaや白血病細胞株U937)において、その放射線感受性を数倍増加させた。 2.ZK1遺伝子産物は、放射線のみならずH_2O_2や温熱刺激などのストレスによる細胞死を増強させた。 3.U937細胞に抗腫瘍剤であるVP-16を曝露することによりZK1mRNAの発現が著しく誘導されることが明らかとなった。さらに、ZK1蛋白強制発現細胞は親株よりもVP-16に対して高い感受性を示した。 ZK1遺伝子は、電離放射線曝露だけでなく抗腫瘍剤であるVP-16曝露によっても発現が誘導され、さらに、電離放射線、温熱刺激、抗腫瘍剤という種々のストレスによる細胞死を増強させる働きがあることが明らかとなった。また、扁平上皮がんや白血病などがん細胞の種類を問わず同様の機能を持っていることが認められた。以上の結果から、ZK1遺伝子をがん細胞に導入する遺伝子治療をあらかじめ施行することにより従来のがん治療(放射線療法、化学療法、温熱療法等)の治療効果を増強させる可能性があることが強く示唆された。今後は、ヌードマウス移植腫瘍を用いてin vivoにおける効果を確認する予定である。また、ZK1遺伝子産物はzinc finger型転写因子として働くことが予想され、その標的遺伝子はアポトーシスのシグナル伝達経路に関与している可能性があり、その標的遺伝子も含めて解析する予定である。
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