研究課題/領域番号 |
11140257
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鵜殿 平一郎 長崎大学, 医学部, 助教授 (50260659)
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研究分担者 |
由井 克之 長崎大学, 医学部, 教授 (90274638)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | Hsc70 / 癌抗原ペプチド / CTL / ワクチン |
研究概要 |
マウスのhsc70遺伝子を鋳型として3'側のプライマーに癌抗原ペプチドpRL1a(RL♂1)、TRP2(B16)、又はマラリアCS抗原、OVA抗原(E.G7)、HY抗原をコードするmini-geneをそれぞれ入れ、PCR法で遺伝子増幅する。これを発現ベクターに組み込み大腸菌にて大量に発現された。それぞれの蛋白分子1mgで隔週2回免疫し、脾臓細胞を取り出し同ペプチドでin vitro刺激を行いELISPOT法とクロム51遊離試験で効果を比較した。いずれの抗原ペプチドでも特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導が可能であることが判明した。即ち、抗原ペプチドの種類に制限はないと考えられた。さらにRL♂1、B16、E.G7を皮内に注射しvivoで腫瘍増殖の抑制効果を判定する試みを現在も続けているが、完全抑制とまではいかないようである。しかし、マラリア抗原MSP-1のほぼ全長とhscp70の融合分子はスポロゾイト攻撃感染を肝臓期に完全に抑制するという実験結果も我々は得ており、このことから単一のCTLエピトープだけではなくヘルパーエピトープも含めた複数のエピトープがより強力なワクチン効果を発揮する上で重要であると推察された。 通常、リコンビナントhsc70分子にはほとんどATPase活性が認められないのが現実であるが、我々の特種なrefolding操作によりnative分子と同様のATPase活性を持ったhsc70蛋白分子の精製を可能にした。このATPase活性の強さとCTL感作の強さに相互関係があることがわかった。また、hsc70のN末側アミノ酸280番から300番目の間にCTL感作に大きく影響を及ぼす領域があることが変異hsc70分子を用いた実験で明らかになった。
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