研究課題/領域番号 |
11140264
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
和中 明生 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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研究分担者 |
森 徹自 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30285043)
清澤 秀孔 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30295422)
岩月 啓氏 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80126797)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | DP5 / アポトーシス / 悪性黒色腫 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
悪性黒色腫に代表される皮膚悪性腫瘍の遺伝子治療を目的とし腫瘍細胞に導入した際に効果的に細胞死(アポトーシス)を誘導できる遺伝子としてDP5を選択した。DP5はBcl-2ファミリーの中のBH3ドメインのみを有するアポトーシス促進型のメンバーである。前年までの検討で少なくともIn vitroの系において遺伝子導入を行うと高率にアポトーシスを誘導できること、及びBH3ドメインのみの発現でもアポトーシスを誘導できることを示してきた。本年度は実際に黒色腫細胞をマウスに移植して作成した腫瘍に遺伝子導入を行い腫瘍細胞の退縮効果、生存促進効果があるか否かを検討した。またDP5に細胞死誘導効果を制御する因子群をYeast Two Hybrid法を用いて探索した。結果として電気穿孔法を用いたDP5遺伝子導入で対照群に比し有意な腫瘍縮小効果が認められた。しかしながらBH3ドメイン遺伝子導入では有意差は認められなかった。また生存促進効果については両者ともに有意な効果は認められなかった。Yeast Two Hybrid法によるスクリーニングでは3種類の陽性クローンが得られ、そのうちの一種類であるhnRNPは哺乳類細胞に共発現させた場合もDP5と相互作用することが明らかとなった。DP5によるアポトーシスの誘導は培養細胞に比べると低いが、導入効率を考えると妥当な値である。Bcl-2のアンチセンス遺伝子導入がやはり悪性黒色腫の細胞死誘導に効果的であったとの報告が最近なされており、特にBcl-2ファミリーが腫瘍において強発現しているMclanoma細胞などはこのファミリーを標的とした遺伝子治療が有望ではないかと考えられている。今後の課題として導入効率の上昇と他の細胞株を用いた検討が必要である。
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