研究課題/領域番号 |
11140278
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
清宮 啓之 財団法人 癌研究会, 癌化学療法センター・基礎研究部, 研究員 (50280623)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | テロメラーゼ / テロメラーゼ阻害剤 / 癌 / 分子標的 |
研究概要 |
テロメラーゼは9割以上の癌で活性が検出され、殆どの正常体細胞では検出されない理想的な癌分子標的である。本計画では、テロメラーゼを分子標的とした癌治療法の確立を目指し、テロメラーゼ阻害剤およびテロメラーゼ結合蛋白質について基礎的検討を行った。その結果、以下の点が明らかになった。 1.TRAP-COMPARE解析により、強力なテロメラーゼ阻害効果(IC50=2microM)を示す化合物としてFJ5002を同定した。白血病U937細胞を非致死的濃度のFJ5002存在下で継代培養すると、population doublingの増加に応じてテロメアの短縮が認められた。テロメアが限界付近まで短縮した細胞では、染色体異常・老化形質・crisisなどの特徴的な変化が認められた。以上のように、テロメラーゼが癌化学療法の新たな分子標的として実質的に有用である可能性が示された。 2.酵母two hybrid法によりテロメラーゼ触媒サブユニットhTERT結合蛋白質を探索したところ、hTERTのカルボキシル末端と特異的に結合する因子として14-3-3蛋白質が単離された。hTERTと14-3-3は実際のヒト細胞内においても複合体を形成していることが確認された。14-3-3は自身のアミノ末端を介して二量体を形成するが、同アミノ末端部位を欠いた変異(dominant negative)型14-3-3を293T細胞に発現させると、hTERTの核内移行が顕著に阻害された。同様に、14-3-3非結合型hTERT(hTERT-3A)は、細胞内において核内移行の効率低下を示した。なお、hTERT-3Aは野生型hTERTと同レベルのテロメラーゼ活性を示した。 以上より、14-3-3はhTERTの細胞内局在を調節することによりテロメラーゼの機能を制御している可能性が示唆された。
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