研究課題/領域番号 |
11140282
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
齋藤 政樹 国立がんセンター研究所, ウイルス部, 部長 (60012762)
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研究分担者 |
松田 和洋 国立がんセンター研究所, ウイルス部, 主任研究官 (80251502)
濱中 裕一郎 国立がんセンター研究所, ウイルス部, 主任研究官 (40189618)
石井 睦 国立がんセンター研究所, ウイルス部, 室長 (20232225)
堺 隆一 国立がんセンター研究所, ウイルス部, 室長 (40215603)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1999年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | ガングリオシドGM3合成酵素 / シアル酸転移酵素 / 5`-RACE法 / GM3合成酵素欠損マウス / N結合型糖鎖 / シリアルモチーフ / ガングリオシドGD3合成酵素 / 遺伝子ノックアウト細胞 |
研究概要 |
当該研究期間内に、以下の諸点を明らかにした:(1)酸性糖脂質ガングリオシド合成系のキーエンザイムであるヒトGM3合成シアル酸転移酵素の遺伝子のゲノム構造解析を行った。ヒト染色体DNAのBACライブラリーをスクリーニングすることによって、ゲノム全長を含むゲノミックローンを単離し、さらにエクソン・イントロン構造の解明と転写開始点の決定を行い、FISH法により当該遺伝子の染色体上の位置(2p11.1)を確認した。マウスの当該遺伝子の染色体上の位置は6Cであった。(2)マウスでは5'-RACE法で最上流エクソンのみが異なる3種類の転写物(L型、B1型、B2型)が明らかになった。ノーザンブロット解析で組織及び種特異性が明らかになった。ラット及びサルGM3合成酵素cDNAをクローニングしヒト及びマウス遺伝子と比較検討した。これらの単離ホモローグにもヒト及びマウスで見られたアミノ酸置換(アスパラギン酸がヒスチジンに置換)が確認され、哺乳類でこのアミノ酸置換の重要な意味が内包されていることが示唆された。(3)本酵素はペプチド部が41.2-41.7kDaの糖蛋白質であると推定され、C末端をMyc-tag標識したConstructでWestern blot解析した。N結合型糖鎖結合可能部位に突然変異を入れ、野生型と糖鎖欠損型酵素の酵素活性・動態を比較し、シアリルモチーフL中の特異的なHis177残基の変異体を作製し、酵素活性・動態を比較したが、明確な結論には至っていない。ガングリオシドの包括的生物機能解析のためGM3合成酵素欠損マウス作出のためのターゲッチングベクターの構築を行い、ES細胞への導入を開始した。(4)ヒト遺伝子ノックアウト細胞作成のため、GM3合成酵素ゲノムDNAからpositive and negative selection vector及びpromoter less vectorを作成、数種類の付着性及び浮遊性がん細胞株に導入しホモ相同組み換えを起こした細胞のクローニングを開始した。(5)またメラノーマ12日本人症例から4症例の細胞株化に成功した。コーカシアン系のメラノーマ細胞株を含め5株の培養細胞に、GD3合成酵素cDNAを組み込んだsense及びantisense vectorを導入し、変異株を複数分離した。antisense vector導入株の一部に、GD3産生能低下と増殖能低下を認めた。
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