研究課題/領域番号 |
11142204
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 忠夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90106609)
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研究分担者 |
三浦 徹 日本学術振興会, 特別研究員
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | オオシロアリ / カースト分化 / 幼若ホルモン / 兵蟻 |
研究概要 |
本研究では、幼若ホルモン類似体(JHA)を用いた兵隊誘導に関する先行研究をべ一スにして、兵隊分化に関する分子生物学的研究をオオシロアリを材料にして進めた。そして、成熟した兵隊で特異的に発現している遺伝子を、Differential Display法により同定を試みた。いくつかの兵隊特異的遺伝子候補のバンドを切り出し、配列を決定したところそのほとんどが新規の遺伝子であることが分かった。そのうち1つの候補では、northern hybridizationで兵隊で非常に強く発現されていることが明らかとなった。sらに、これらの遺伝子の発現部位の特定、クローニングによる全長の決定を行った。また、JHA処理を擬職蟻(ワーカー)に施すと、25℃の条件下で2週間強で前兵蟻(プレソルジャー)に誘導されるが、その過程で発現されてくる遺伝子の解析も並行して行った。さらに、得られた遺伝子をマーカーにした応用的な技術の開発も試みた。 また、同じ不完全変態昆虫で真社会性の種も有するアブラムシは、複雑な生活史を持ち、有翅・無翅型などの表現型多型を示す。中でも、単為生殖を行う世代では、雌雄が交尾した有性卵の胚発生とは非常に異り、発生学的に最も早い時期の表現型多型現象といえる。有性・無性胚発生の比較の手始めとして、エンドウヒゲナガアブラムシAcyrthosiphon pisumの単為生殖胚の初期発生を蛍光抗体法などによって、詳細に観察を行った。その結果、生殖細胞の分化や、細胞内共生バクテリアの初期胚への感染方法、菌細胞の発生学的起源など、いくつもの新しい知見を得た。
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