研究課題/領域番号 |
11142208
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
日下部 宜宏 九州大学, 農学部, 助手 (30253595)
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研究分担者 |
伴野 豊 九州大学, 農学部, 助教授 (50192711)
河口 豊 九州大学, 農学部, 助教授 (80038306)
古賀 克巳 九州大学, 農学部, 教授 (40038261)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | カイコ / 致死遺伝子 / 突然変異 / 劣性形質 / 終齢致死 / 昆虫変態 / アポトーシス / 3眠誘導 |
研究概要 |
昆虫の変態は劇的な形態変化を伴いながら、その体内では膨大な種類の生化学反応が巧妙かつ秩序ある制御機構のもとで進行している。蛹期には幼虫組織を崩壊し、積極的に排除する機構が存在し、一方、新たに必要となる組織が形成され、成虫原基の分化と増殖が誘導され始める。これら一連の制御機構の解明をカイコ幼虫致死突然変異、5齢死蚕(lethal last-instar larva : l-li)をモデル系と行った。l-liはホモ個体が5齢3日に一斉に致死することから、幼虫から蛹への変態期において本来崩壊しない組織が細胞死のプログラム異常により崩壊している可能性が考えられた。しかし、5齢3日に死亡したホモ個体の各組織においてはいずれの組織においても顕著なDNAの断片化は認められなかった。そこで、より感度の高いアポトーシス検出法であるLM-PCR法を用いて解析したところ、正常と比較して、中腸においてにアポトーシスが高頻度で観察された。次に誘導3眠蚕においてl-liが終齢致死形質か否かの検討を行ったところ、KK-42処理区において4齢7-8日に28.8%の個体が死亡したことから、l-liは終齢致死形質であると考えられた。誘導3眠蚕においても中腸におけるアポトーシスの亢進が認められたが、5齢期死亡蚕の体液タンパク質プロフィールが正常の5齢2日に相当し、性的成熟に伴うタンパク質の発現が認められない時期であるのに対し、誘導3眠蚕における死亡蚕においては、性的成熟に伴うタンパク質の発現が認められた。これらの結果より、l-liは終齢致死形質ではあるものの、体液タンパク質からみたカイコ発育ステージとの相関は認められなかった。また、中腸タンパク質の2次元電気泳動解析においては、正常と比較して、その発現が増加しているタンパク質スポットが検出されたが、顕著な相違は認められなかった。
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