研究課題/領域番号 |
11143216
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
井上 喜博 愛知県がんセンター, 生物学部, 主任研究員 (90201938)
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研究分担者 |
山口 政光 愛知県がんセンター, 生物学部, 室長 (00182460)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 細胞分裂 / 染色体分配 / 微小管 / ショウジョウバエ |
研究概要 |
ショウジョウバエの新しい細胞分裂突然変異体orbitの細胞では、単極紡錘体微小管の形成による染色体分配の阻害と細胞質分裂の欠損との両方の要因により染色体の倍数化がおこると考えられる。この遺伝子産物は、170KDaの新規タンパクである。その塩基性ドメイン内にβチューブリンやFtsZのGTP結合モチーフに一致した配列が認められる。このタンパクは、M期を通じて微小管上に局在する。Orbitタンパクは、ショウジョウバエの初期胚から調整した抽出液中で微小管と共沈する。この会合は、既知の微小管会合タンパク(MAP)のそれに匹敵するほど強い。さらに大腸菌内で合成させ精製した組み換え体Orbitタンパクは、他のMAPを介さずに微小管に直接結合することを示した。この際、結合にはGTPの加水分解が必要であることが明らかになった。Orbitタンパクは、染色体分配に必須なMAPであると結論できる。中心体の分離および分裂極の伸長に必要なキネシン様モーターKLP61Fの欠損変異体がorbit変異体とよく似た表現型を示すこと、両者の間で強い遺伝学的相互作用が観察されたことから、Orbitタンパクはキネシン様モーターが微小管上で働く際に重要な役割を担うと予想している。hypomorph型変異orbit^1ホモは、雄、雌ともに不妊である。変異体雄の精巣内で多倍体の精原細胞が観察され、さらに雄の減数分裂でも同様に染色体分配および細胞質分裂の両方の欠損を認めた。また変異体雌の卵室内でも少なくとも減数分裂前分裂の異常が観察された。したがってこの遺伝子は体細胞のみならず、生殖細胞形成の時の減数分裂前分裂と減数分裂でも必須なことがわかった。
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