研究課題/領域番号 |
11144211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石浦 章一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10158743)
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研究分担者 |
笹川 昇 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70302817)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイド前駆体 / プロテアーゼ / ADAM / MDC9 / セクレターゼ |
研究概要 |
細胞膜結合型蛋白質の中には、プロセシングによって機能ドメインが細胞外に分泌されるのものがある。その代表例が、腫瘍壊死因子α、腫瘍成長因子α、アミロイド前駆体蛋白質(APP)、L-セレクチンなどである。これらは、通常のFurin型プロセシング酵素ではなく、特殊なメタロプロテアーゼによる限定分解を受けることが知られている。今年度は、APPを例にとってプロセシング酵素の1つを(βセクレターゼ活性を持つThimet oligopeptidase)を精製し、cDNAクローニングと遺伝子導入によるプロセシングの確認を行った。また、もう1つのAPPプロセシング酵素であるαセクレターゼ活性をもつディスインテグリン型メタロプロテアーゼMDC9の生理機能を明らかにした。特にMDC9が、APPαセクレターゼ活性を持つことを初めてin vivoで実証した。 具体的には(1)MDC9cDNAと、メタロプロテアーゼドメインを欠くMDC9(delMP)cDNAをAPPと共にCOS細胞に導入し、プロセシング活性の変化を指標にMDC9の作用を見た。α部位でのプロセシングは、細胞外に分泌された断片を切断部位特異的抗体によって定量化した。(2)実際にMDC9がαセクレターゼとして働いているかどうかを再検討するため、MDC9の全長アンチセンスcDNAを細胞に導入し、APPのα部位での分解が抑えられることを確認した。現在、このMDC9遺伝子が家族性アルツハイマー病遺伝子の近傍に存在するため、患者での遺伝子変異があるかどうかについても検討している。(3)ディスインテグリン型メタロプロテアーゼには特異的な低分子阻害剤がないために、類似酵素の作用の区別がつきにくい。メタロプロテアーゼ阻害剤であるヒドロキサム酸アナログを用いて特異性の高い阻害剤開発を行った。
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