研究概要 |
1.PACE4遺伝子発現調節に重要なbHLH型転写因子の同定 今までに各種培養細胞(HepG2,GH_4C_1,神経芽腫細胞)におけるルシフェラーゼアッセイ系を用いた5'-上流域の機能解析の結果,12ケのE-boxモチーフのうち,特にE4からE9までのE-boxクラスターはネガティブなエンハンサーとして,またE10はポジティブなエンハンサーとして機能していることが判明している.塩基配列の変異による実験でもこれらの転写因子はE-boxモチーフ(CANNTG)に特異的であることが確認され,bHLH型転写因子はその最も有力な候補である.転写因子の精製,抗体による転写因子の同定,共発現実験による転写活性の影響等の実験により,各細胞におけるbHLH型転写因子の同定とその役割を解明した. 2.アンチセンスRNAによるPACE4発現制御と前駆対プロセシングの変化 最近申請者らは,PACE4を発現しているHepG2細胞にアンチセンスRNAを発現させた系を構築し,HepG2が培養液に分泌するタンパク質を二次元電気泳動,ウエスタンプロットで解析した結果,PACE4は肝臓においてプロアルブミンをアルブミンにプロセスする反応に関与することを証明した.同様な系を,下垂体由来GH_4C_1細胞及び神経芽腫GANB細胞に構築し,PACE4がプロセシングに関与するペプチドホルモン,ニューロペプチド,成長因子の候補分子を同定した.
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