研究課題/領域番号 |
11144233
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小椋 光 熊本大学, 医学部, 助教授 (00158825)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ATPase / プロテアーゼ / 膜タンパク質 / 分子シャペロン / ストレス応答 / 胞子形成 / コンピューターモデリング / ヘリカーゼ |
研究概要 |
FtsH ATPaseの分子間触媒モデルを証明するため、さらに多数の変異体を構築し、それらの活性を調べるとともに、同じAAAファミリーに属するNSF-D2の結晶構造を基にFtsH ATPaseの立体構造モデリングを行った。その結果、分子間触媒モデルはさらに支持され、しかもATP加水分解に伴う構造変化がリング状FtsH ATPaseの中央の穴のサイズを制御するという可能性が示唆された。これは、基質タンパク質のプロテアーゼドメインへの移行反応がこの穴を通して起こり、ATP加水分解によって制御されるというモデルに分子基盤を与えるものである。この分子モデルは、FtsH ATPaseによるタンパク質のアンフォールディングやシャペロン活性についても重要な作業仮説であり、モデルから予測される重要部位の機能解析をさらに進めている。σ^<32>の分解におけるDnaKシャペロン系の役割について検討した結果、DnaKシャペロンがσ^<32>のRNAポリメラーゼへの結合を阻害することやFtsHプロテアーゼが局在する膜への移動に関わるという可能性は否定的で、DnaKシャペロンがσ^<32>に直接作用して、FtsHによる分解を受けやすい構造に変化させるという可能性が強く示唆されたが、これをin vitroで証明するには至っていない。可溶性FtsHの解析を行い、2番目の膜貫通領域がオリゴマー形成に必須であること、可溶性でもオリゴマーを形成できれば、σ^<32>など細胞質基質を分解できることを明らかにした。FtsHプロテアーゼの基質の一つである枯草菌のSpoVMが膜に作用し、細胞増殖に阻害効果を持つことを明らかにした。FtsH ATPaseと近縁なRuvBヘリカーゼのATPaseの機能ドメイン・機能残基の推定を行った。
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