研究課題/領域番号 |
11144243
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
西村 いくこ 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (00241232)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 液胞プロセシング酵素 / タンパク質蓄積型液胞 / 種子タンパク質 / システインプロテイナーゼ / 老化 / 分解型液胞 / 活性発現機構 / シロイヌナズナ |
研究概要 |
植物細胞の持つ分化転換能力を分子レベルで解明することは、植物細胞の基本的な特性を理解する上で重要である。植物細胞が機能的な転換を図ろうとするとき、不要になった細胞内成分を分解していくことが必須となるが、この際の速やかな分解には液胞内の分解装置が機能していると考えられる。本研究は、液胞内の分解装置のプロセシングによる制御が細胞の分化転換に重要な要因として働いていることを明らかにすることを目的とした。 液胞プロセシング酵素VPE(Vacuolar processing enzyme)は、様々な液胞の機能分子の成熟化や活性化に関与していることを明らかにした。VPE分子自体は不活性な前駆体として合成されるが、自己触媒的にC末端側のプロペプチドの除去とそれに続くN末端側のプロペチドの除去が酵素の活性化に必須であることを酵母の発現系およびバキュロウィスルを介した昆虫細胞における発現系を用いて解明した。細胞死やストレス条件下の細胞における液胞プロセシング系の役割について解析を行い下記の結果を得た。Arabidopsis thaliana(シロイヌナズナ)の葉は細胞死に至る過程で、細胞内の不要成分の分解のため液胞内にプロテアーゼ(RD21)を蓄積する。このRD21前駆体分子の成熟化にVPEが関与していることが判明した。即ち、VPE自体が不活性な前駆体として合成され、自己触媒的に液胞内で活性型に変換した後、様々な液胞の機能分子の活性化を制御するという"液胞内プロセシング系"の実体を明らかにすることができた。
|