研究課題/領域番号 |
11145211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
立花 政夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60132734)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 視覚 / 網膜 / 網膜神経節細胞 / 同期 / 相関解析 / スパイク発火 / 受容野 / シナプス |
研究概要 |
カエルの眼球から剥離した網膜に平面状のマルチ電極を適用して、複数の神経節細胞から光刺激に対するスパイク発火応答を記録し、スパイク発火に時間的な相関があるか否かを検討した。光強度が次第に減弱する刺激に対して持続的に応答する神経節細胞(ディミング検出器)は、強度を正弦波状に時間変調させた光(0.25Hz:全面照射光)で網膜を刺激すると、約30Hzの周期的発火パターンを示した。スポット光刺激では、このような発火パターンは生じなかった。任意のディミング検出器ペアに関して相互相関関数を求めたところ、時間変調した全面照射光の場合、同期的発火と約30Hzの周期的発火パターンが見いだされた。受容野中心間の距離が大きくなるに従って、同期的発火の強度はやや低下したが、周期的発火の強度は殆ど変化しなかった。一方、それぞれの受容野を時間変調したスポット光で局所的に刺激した場合、周期的発火はペア間の距離に関わらず生じなかったが、弱い同期的発火は受容野が近傍にあるペアで観察された。GABA受容体の阻害剤を投与すると、離れたペアでは周期的発火も同期的発火も完全に消失した。一方、近接したペアでは周期的発火は消失したが、同期的発火は弱いながらも残存した。スパイク間間隔の解析を行ったところ、30Hzの周期的発火に対応する約35ミリ秒ごとにピークが現れたので、ディミング検出器は末梢側に存在する30Hzの発振回路(あるいは発振素子)から入力を受けていることが示唆された。以上の結果から、カエル網膜には、ディミング検出器に対して、大きな領域の光刺激で周期的発火を生成させる広域的な神経回路網と、小さな領域の刺激により同期的発火を生成させる局所的な神経回路網とが存在すること、また、前者には抑制性受容体の活性化が関与していることが強く示唆された。
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