研究課題/領域番号 |
11145246
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
南部 篤 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (80180553)
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研究分担者 |
徳野 博信 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主任研究員 (40212071)
稲瀬 正彦 近畿大学, 医学部, 教授 (80249961)
高田 昌彦 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00236233)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 線条体 / 被殻 / 淡蒼球 / 一次運動野 / 補足運動野 / 運動制御 / サル |
研究概要 |
大脳基底核の入力部のひとつである線条体(尾状核と被殻)は、大脳皮質の広い領野から入力を受けているが、入力様式について、複数の大脳皮質の領野からの情報が大脳基底核で収束し、情報の統合が起こっているという説と、複数の大脳皮質の領野からの情報は並列、分散処理され、情報の統合はあまり起こっていないという説がある。これまで、サルを用いて調べたところ、大脳皮質一次運動野上肢領域からの投射は主として被殻の外側部に終わるのに対し、大脳皮質補足運動野上肢領域からの投射はより背内側部を中心に終わり、それぞれの約1/4が中央部で重なることがわかった。本年度は、さらに線条体から淡蒼球への投射について検討を加えた。 金属微小電極をサルの被殻に刺入し、単一ニューロン活動を記録する。大脳皮質の電気刺激による応答などを手がかりに、大脳皮質一次運動野より入力を受ける被殻の領域と、補足運動野より入力を受ける領域を同定した。その後、それぞれの領域の中心にビオチン化デキストランアミン(BDA)あるいはWGA-HRPなどの順行性標識物質を微量注入し、標識終末や標識細胞を可視化した。 一次運動野から入力を受ける被殻の領域からは、淡蒼球外節、内節の腹側部に投射していた。それに対し、補足運動野から入力を受ける領域からは、淡蒼球外節、内節の背側部、また一部、黒質網様部にも投射していた。したがって、両領域からの投射は、淡蒼球では完全に分かれており、また、両者の間にはどちらからも入力を受けていない領域があった。 まとめると、大脳皮質一次運動野と補足運動野からの入力情報の一部は、被殻において収束、統合されているが、被殻から淡蒼球への投射は並列処理であり、更なる情報の統合は行われていないと考えられる。
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