研究課題/領域番号 |
11146208
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大熊 芳明 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (70192515)
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研究分担者 |
前川 隆文 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (90273721)
益谷 央豪 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (40241252)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 転写 / PolII / CTD / TFIIH / TFIIE / リン酸化 / 色素性乾皮症(XP) / DNA修復 |
研究概要 |
1.TFIIHのキナーゼ活性の基質特異性と転写におけるPolIIの特異的リン酸化の解析 転写とPolII最大サブユニットのC末に存在する7個のアミノ酸の繰り返し構造(CTD)のセリン残基リン酸化との関連は、生化学的また生体内での多くの証拠が示されてきた。このCTDリン酸化を転写開始の際に行うTFIIHの基質特異性とPolIIの転写との関連を追及した。ヒトTFIIHを用いてCTDリン酸化部位を決定したところ、CTD配列の2番目と5番目のセリン残基をリン酸化した。特に5番目のセリンのリン酸化は転写開始複合体の中でTFIIEにより特異的に誘導され、転写伸長への移行との関連性が考えられる。 2.TFIIHの欠損に起因する遺伝病患者細胞からの欠損TFIIHの活性の解析 TFIIHは、紫外線等によるDNA傷害の修復にも関与し、9個のサブユニットの2個XPBとXPDの一方の変異で発がんを伴う色素性乾皮症(XP)が発症する。我々は、TFIIHのXPBあるいはXPDに変異を有する患者の欠損TFIIHと正常なTFIIHの機能を比較した。すると、XPB変異TFIIHは転写活性に大きな低下が見られるが、PolIIリン酸化活性の低下は小さいこと、一方XPD変異TFIIHには、転写活性の低下とPolIIリン酸化活性の低下の両方が見られた。 3.TFIIHのDNA修復反応における他の修復因子との協調的制御機能の解析 我々は、これまでTFIIHが遺伝子DNA上の紫外線、薬剤等による傷害部位にDNA修復因子が集まり修復する際に、形成される複合体内で損傷を認識するXPCと損傷DNA部位の3'側を切断するXPGの2者に結合することを見出している。今回、これら因子がTFIIHと相互作用し、その際紫外線、薬剤により損傷を生じたDNAとの相互作用の効率は、損傷の無いものより高いことを明らかにした。
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