研究課題/領域番号 |
11146220
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
田沼 靖一 東京理科大学, 薬学部, 教授 (10142449)
|
研究分担者 |
丸田 英晴 東京理科大学, 薬学部, 助手 (00266917)
塩川 大介 東京理科大学, 薬学部, 助手 (90277278)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | DNA修復 / アポトーシス / DNaseγ / 核移行シグナル / DNA断片化 |
研究概要 |
真核細胞はDNA障害に対して、DNA修復又はアポトーシスの経路をその損傷程度を自らが判断して決める本研究ではアポトーシスの主役であるDNaseγの活性化機構の解明を行った。 DNaseγはプリカーサーペプチドを持つ不活性型前駆体として合成され、成熟型のDNaseγに変換されることが明らかとなっている。そこで細胞レベルにおけるDNaseγの活性制御機構を解析するため、まず前駆体型と成熟型DNaseγのHeLaS3細胞への導入を行った。成熟型DNaseγを導入した細胞はすべてDNAがラダー状に分解され死滅し、完全長DNaseγを導入した細胞には変化はみられなかった。そこで前駆体型として導入されたDNaseγのアポトーシスに伴う活性化を調べるため、完全長DNaseγの安定発現株を作製し解析を行った。HeLaS3細胞はアポトーシス誘発によりDNAラダーの出現は観察されないが、HeLaS3/DNaseγ細胞においては細胞死に伴うDNA断片化が観察された。また、細胞内DNaseγ活性を調べたところ、DNaseγは生細胞においてすでに活性型として存在するが、アポトーシスの進行に伴い核画分におけるDNaseγ活性の上昇が観察された。 DNaseγ-GFP融合タンパクを用いてDNaseγの局在変化をさらに解析したところ、DNaseγは生細胞において核膜内に存在しており、アポトーシスの誘発に伴い細胞質に放出され、C末端核移行シグナル依存的に核内へと移行することが明らかとなった。 以上の結果より、DNaseγはアポトーシスの誘発に伴い活性化されDNA断片化を触媒すること、DNaseγはアポトーシス誘発以前に活性型として核膜内に存在するが、この正しい局在にプリカーサーベプチドが重要であること、DNaseγの活性化の本体は、核膜から核内への局在変化であることが明らかとなった。
|