研究課題/領域番号 |
11146221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
池島 三与子 日本医科大学, 医学部, 講師 (30246938)
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研究分担者 |
島田 隆 日本医科大学, 医学部, 教授 (20125074)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ミスマッチ修復 / DNA修復蛋白質 / ゲノム不安定性 / 発癌 |
研究概要 |
私達はhMSH3蛋白質の機能について以下のことを明らかにした。1)バキュロウイルス系を用いてhMSH3をhMSH2と共に発現させるとhMutSβ(hMSH2/hMSH3)を形成し、2-4塩基の挿入/欠失ミスペアに結合した。2)細胞の核抽出液を用いてhMutSα(hMSH2/hMSH6)あるいはhMutSβとミスマッチとの結合を測定する方法を確立した。3)hMSH3遺伝子が増幅しているメソトレキセート耐性細胞ではhMutSα形成の抑制、塩基置換ミスマッチ修復活性の低下、ゲノム不安定性の昂進が見られた。4)弧発性大腸癌患者のゲノムDNAを用いた解析でゲノム不安定性とhMSH3遺伝子の変異の間に相関がみられた。以上のことからhMSH3蛋白質は細胞内において挿入/欠失ミスペアの認識および修復に直接関与すると考えられ、その変異および極端な発想はゲノム安定性の維持に重要な影響を与えることが考えられた。 本年度はhMSH3蛋白質の特異抗体を用いて細胞内での機能を解析した。バキュロウイルスで発現したhMSH3蛋白質あるいはhMutSβを抗原として、ポリクロナル抗体及びモノクロナル抗体を得た。hMSH3に対する抗体を細胞核抽出液に添加すると、いずれの抗体も2塩基の挿入/欠失を持つミスペアを基質にした時のミスマッチ結合活性および修復活性を阻害した。しなわちhMSH3蛋白質は細胞核において挿入/欠失を持つミスペアの認識および修復に関与することが確認された。hMSH3抗体を用いて細胞の免疫沈降反応を行うとhMSH3蛋白質の他にhMSH2蛋白質とhMLH1蛋白質が見い出され、ミスマッチ認識にはMutSホモログに加えてMutLホモログが関与することが示唆された。
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