研究課題/領域番号 |
11147203
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70206142)
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研究分担者 |
武田 和久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30311559)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヘムオキシゲナーゼ / 低酸素 / 脳マラリア / 遺伝子発現 / マイクロサテライト / 遺伝的多型 |
研究概要 |
脳マラリアの発症には、熱帯魚マラリア原虫が感染した赤血球の脳内微小血管内皮細胞への付着、その結果生じる閉塞とそれに伴う組織傷害が関与する。ヘムオキシゲナーゼ1はヘム分解系の律速酵素であり、ヘムをビリベルジン、鉄、一酸化炭素(CO)に変換する。ビリベルジンは直ちにラジカル消去作用のあるビリルビンに還元される.我々は、鉄の再利用に重要なヘムオキシゲナーゼ1の発現の程度が、マラリア感染の重症化に関与すると推定している。培養ヒト臍帯静脈内皮細胞を低酸素(1%)に曝露すると、ヘムオキシゲナーゼ1の発現量(mRNAと蛋白レベル)が正常酸素圧(19%)の発現量の10%にまで低下した。この際、ヘムオキシゲナーゼ1mRNAの安定性には変化がない。さらに、鉄キレート剤であるdesferrioxamineが低酸素と同程度にヘムオキシゲナーゼ1の発現を低下させた。 ヒトヘムオキシゲナーゼ1遺伝子の転写開始点の197bp上流に位置する(GT)配列の反復回数には遺伝的多型が見られる。そこで、代表的な多型(16、20、29、38回の反復)を持つ融合遺伝子を構築し、レポーター遺伝子の一時的発現の差を検討した。(GT)の反復回数16、20の各プロモーター活性が高めであり、さらにそれぞれの活性が過酸化水素処理により誘導された。 東北大学医学部老人科との共同研究として、各100人の男性喫煙者肺気腫群、喫煙者非肺気腫群のゲノムDNAを解析し、30回以上の(GT)の反復配列を持つ喫煙者では有意に肺気腫になりやすいことを明らかにした。以上により、(GT)の反復回数が長いほど、すなわちヘムオキシゲナーゼ1が誘導されにくいほどマラリアに対して抵抗性があると予想している。
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