研究課題/領域番号 |
11147211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
北出 幸夫 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20137061)
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研究分担者 |
中西 雅之 岐阜大学, 工学部, 助手 (00281048)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 熱帯熱マラリア原虫 / SAH hydrolase / 抗マラリア薬 / 遺伝子組換え酵素 / 酵素阻害剤 / 炭素環ヌクレオシド / ネプラノシンA / ノルアリステロマイシン |
研究概要 |
S-Adenosylhomocysteine(SAH)は、生体内メチル化反応の結果として生成する化合物であり、速やかにadenosineとhomocysteineに分解されなければ、mRNAのキャップ構造などの生体内メチル化反応が低下し、タンパク質の合成や細胞機能に重大な障害をきたす。最近、炭素環ヌクレオシドであるNeplanocin A誘導体に抗マラリア活性が認められた。マラリアSAHaseにはヒトSAHaseには存在しない約40残基のアミノ酸配列が酵素内部に存在しているため、阻害剤に対し異なる感受性を示す可能性が高いと考えられる。 本研究では、マラリア原虫SAHaseを標的とする新規抗マラリア薬開発を目的に、遺伝子組換えSAHaseの発現・精製およびヌクレオシド系阻害剤の分子設計・合成を実施した。ヒトSAHaseの大量発現および精製を行い、その活性中心に関する検討を加えてきた。今回、熱帯熱マラリア原虫Plasmodium falciparumのRNAを用いて検討を行ったところ、マラリア原虫SAHaseのRT-PCR法によるcDNAクローニング、大腸菌での組換え酵素の発現・精製に成功した。この組換えマラリアSAHaseおよび先に精製したヒトSAHaseを用いて種々のヌクレオシド系化合物の酵素阻害活性を調査した。その結果、Neplanocin A(NPA)が選択的阻害活性を示さなかったのに対し、塩基部2位にフッ素原子を導入した2-FNPAはマラリア酵素に対し強い選択的阻害活性を有することが判明した。さらに、糖部および塩素基を修飾した誘導体のヒトおよびマラリア組換えSAHaseの阻害活性は現在検討中である。 熱帯熱マラリア原虫の組換えSAHaseの結晶化を検討中であり、得られる知見をもとにマラリアSAHaseに対する選択的阻害剤の分子設計・合成を実施する。
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