研究課題/領域番号 |
11147215
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 資正 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40116033)
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研究分担者 |
村上 啓寿 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00210013)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 抗マラリア剤 / カシノイド / 鴉胆子 / Brucea javanica / ニガキ科植物 / bruceolide / コンピュータグラフィックス / カーボネート |
研究概要 |
マラリアは、世界中で2億7000万人の人が感染し、毎年200万人の人が死亡する人類最大の寄生原虫感染症であり、ワクチンの開発とともに新規抗マラリア剤の開発は緊急を要する課題とされている。これまで、薬用植物の伝承薬効をもとに、天然カシノイド成分に抗マラリア作用のあることが明らかにされているが、詳細かつ系統的な研究は行われていなかった。そこで、本研究では天然カシノイドを素材とし広範な化合物を合成し、構造活性相関を系統的に検討することによる新規抗マラリア剤の創製を目指している。我々は、数種の抗マラリア作用を示す天然カシノイド類がbruceolideを共通構造として有していることに着目し、容易に入手可能な生薬"鴉胆子"(Brucea javanica)からbruceolideを高収率で得る方法を確立し、それを素材とする抗マラリア剤の創製を進めてきた。本年度は、これまでに合成した種々の誘導体のコンピュータグラフィックスを駆使した構造活性相関、血中への効率的な移行の指標となる疎水性パラメーター(CLogP)および血中安定性の結果をもとにして、in vivoでの作用発現の期待できる化合物としてカーボネート体を設計した。そして、数種のカーボネート体を合成し、本重点班にin vitroの抗マラリア作用を検定して頂いた結果、3種の誘導体にこれまで合成したいずれの誘導体よりも高い選択毒性比が認められることを明らかにした。 さらに、これら3種のカーボネート体について、ネズミマラリア原虫感染マウスに対する治療効果を本重点班で検定して頂いた結果、メチルおよびエチルカーボネート体はin vivoにおいてもクロロキンより優れた抗マラリア活性を示すとともに、優れた延命効果が認められることを見出した。
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