研究課題/領域番号 |
11149226
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
池村 淑道 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (50025475)
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研究分担者 |
天前 豊明 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (70270460)
深川 竜郎 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (60321600)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 染色体バンド / ヒト11番染色体 / 複製タイミング / バンド境界 / 遺伝子密度 / GC含量 / RとGバンド / S期 |
研究概要 |
染色体バンドに代表されるようなヒトゲノム上の大規模な構造の実体やその機能を分子レベルで解明することは、今後のゲノム解析に重要な知見を与える。特に、S期内で前半と後半に区分化さる複製タイミングは、染色体の機能構造を知るための重要なパラメーターを考えられている。ヒト11番染色体長腕(11q)の約80Mbの全域を対象に、190箇所のSTS部位の複製タイミングを解析し、11q全域の詳細な複製タイミング地図を塩基配列レベルの精度で作成した。具体的な測定法としては、ヒト培養細胞を60分間ブロモデオキシウリジンで標識した後、セルソーターを用いて、DNA含量を指標に細胞周期により6分画する。免疫沈降法によりブロモデオキシウリジンで標識された新生鎖の精製を行った後、複製タイミングを測定する部位のプライマーを用いた定量的PCRを行い、ゲル電気泳動後に各S期分画のバンドを定量した。解析の結果、ヒト11番染色体長腕(11q)の複製タイミングがS期前半から後半に明瞭に転換している領域を約20箇所特定し、S期前半と後半の複製領域がRとGバンド領域に対応することを明らかにした。また、GC含量の区分的分布と複製タイミングとの間に密接な関係があることも、ゲノム配列レベルで明らかにした。これらの結果に基づいて、染色体バンド境界の機能上ならびに構造上の要件を満たす部位を塩基配列レベルで特定できた。このような解析がヒトノゲムの全体に対しても適用可能であり、またこれからのゲノム研究に必須の基礎知見を与える解析法であることを実証できた。S期の早期に複製する領域で、遺伝子密度が特に高いことも判明し、遺伝子密度と複製タイミングとの間の明瞭な関係が明らかになった。
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