研究課題/領域番号 |
11152210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
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研究分担者 |
村松 寿子 名古屋大学, 医学部, 助手 (50182134)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ミッドカイン / プレイオトロフイン / 細胞遊走 / 新生内膜 / チロシンフォスファターゼ / PI3キナーゼ / MAPキナーゼ |
研究概要 |
本年度はミッドカイン(MK)の細胞内シグナルの解明を目指し、多方面の解析を試みた。ラット胎仔脳細胞の遊走をMKは誘導した。このときコンドロイチン硫酸、コンドロイチナーゼあるいはバナジン酸(チロシンフォスファターゼ阻害剤)の添加で遊走に阻害がかかることから受容体型蛋白チロシンフォスファターゼPTPζの関与が強く示唆された。PTPζはMKとKd=0.58nMという高親和性を示した。MKの細胞遊走能は他の細胞系でも重要で、MKノックアウトマウスでは、血管内皮障害に伴う新生内膜形成(血管中膜平滑筋細胞の内皮直下への移動およびマクロファージ等の炎症細胞の血管壁への浸潤が重要)がほぼ完全に抑えられ、実際MKがこれらの細胞の遊走を誘導することが判明した。さらに申請者らは骨芽系細胞のMKによる遊走を用いて細胞内シグナルを解析した。この系においてもコンドロイチン硫酸鎖を持つ受容体型蛋白チロシンフォスファターゼPTPζの関与が強く示唆された。また、種種の阻害剤を用いた実験から、少なくともPI3キナーゼ、MAPキナーゼ、PKCがこの系には必須であることが判明した。また、MAPキナーゼの上流にPI3キナーゼが存在すること、PKCはPI3キナーゼ、MAPキナーゼと独立かあるいはその下流に位置することが明らかになった。さらにPDGFとMKが相乗的に作用することを見いだした。また、MKファミリーのもう一つのメンバーPTNとMKの胎生期の脊髄、胎盤における発現を解析した。MKが脊髄管周囲全周性に神経幹細胞に発現するのに対し、PTNはその背側半分および前角運動神経細胞に発現した。胎盤では胎仔由来の栄養芽細胞等でMKが発現するのに対し、PTNは母胎側脱落膜層に発現した。MKとPTNは生物活性を共有することが多いがin vivoでは異なった発現制御が働いており、機能発揮の場に違いがあることが示唆された。
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