研究課題/領域番号 |
11152220
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
日比 正彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40273627)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | dharma / bozozok / Nieuwkoopセンター / Spemannオーガナイザー / nodal / dkk1 / Wntシグナル / 頭部形成因子 |
研究概要 |
脊椎動物の体軸形成においては、胞胚中期に形成されるNieuwkoopセンターとそれによって誘導されるSpem annオーガナイザーが重要な役割を果たしていると考えられている。我々が発現クローニング法によって単離したゼブラフイッシュdharma遺伝子は、胞胚中期移行直後に背側胚盤細胞およびその後背側卵黄多核層に限局して発現し、近接する胚盤細胞をSpem annオーガナイザーに誘導する活性を有している。本研究においては、dharma遺伝子が脊索・脊索前板等の中軸組織の形成異常を示す変異体bozozokの責任遺伝子であり、dharma遺伝子の欠損によりオーガナイザーの形成不全・頭部神経系欠損といった表現系を示すことを見いだしており、dharmaがNieuwkoopセンター形成・機能に必須であることを示している。また、dharma遺伝子5'上流解析より、dharma遺伝子は初期背側化に関与するWntシグナルによって調節されていることを明らかにした。さらに、アフリカツメガエル頭部形成因子Wnt阻害分子Dkk1のゼブラフィッシュcDNAを単離し、原腸胚中軸中内胚葉におけるdkk1の発現がdharmaに依存していることを見いだした。また、dkk1 RNAの強制発現により、dharma欠損による頭部神経・脊索欠損の表現型を抑制した。また、dharma遺伝子は、TGFβファミリー遺伝子であるnodal(cyclops,squint)と協調的に働き、オーガナイザー形成に働き、BMP阻害蛋白chordinや転写因子goosecoidの発現を調節していることを明らかにした。さらに、dharmaとnodal遺伝子を両方欠損した個体では頭部形成が強く阻害されており、dharmaとnodal遺伝子が協調的にWnt及びBMP阻害分子の発現を誘導し頭部形成に関与していると考えられる。
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