研究課題/領域番号 |
11152223
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高橋 淑子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (10183857)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 分節 / 体節 / 上皮 / 間充織 / ニワトリ胚 / 脊椎動物 / 誘導 / 形態形成 |
研究概要 |
動物界において、からだの前後軸に沿ってに明瞭な文節構造が見られるものに、脊椎動物、ナメクジウオ、節足動物、及び環形動物があげられる。これらの分節構造の意義はいまだ不明であるが、複雑な体を構築するに当たり、まずはある程度「無性格」の構造単位を繰り返し配置し、その後にそれぞれの単位に「性格付け」をおこなうという戦略が進化上有利であったのかもしれない。いずれにせよ高等動物のからだづくりには、分節現象は極めて中核的役割を担うことに関しては疑いがない。 分節研究から、これまでの発生研究では困難であった研究展開と発見が期待できる。例えばある一定の距離と時間を、細胞はどのようにして計っているのか?間充織である末分節中胚葉が、分節する時点では極めて短い間に上皮化を起こすが、そのしくみは何か?など、どちらもからだづくりの根本的問題であるにも関わらず、これまでの研究からは全く解明されていない課題に大きく挑戦できるであろう。 以上のような背景を受けて、本研究では、分節する部位において間充織細胞群が瞬時に上皮化を起こすしくみに注目して研究した。その結果、1)分節は間充織が上皮化することによって引き起こされる現象である、2)次分節部位は分節能を自立的に確立している、3)分節は誘導現象を伴う(本来は分節しない部位でも、適当な環境下におかれると異所的に分節する)、などの知見を得た。とりわけ3)の知見は全く予想されていなかった機構を世界に先駆けて解明したものであり、国際的に高い評価を得た。
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