研究課題/領域番号 |
11152226
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岸田 昭世 広島大学, 医学部, 助手 (50274064)
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研究分担者 |
菊池 章 広島大学, 医学部, 教授 (10204827)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | Axin / Dvl / GSK-3β / PDZ / β-catenin |
研究概要 |
細胞間分泌蛋白質Wntは、生物種を越えて胎生期における体軸形成や細胞の増殖や分化を制御する。アフリカツメガエルの初期胚にWntやDsh(Dvl)、β-cateninを導入すると二次体軸が形成される。GSK-3β結合蛋白質AxinはAPCやGSK-3β、β-catenin、Dvlと複合体を形成し、GSK-3βによるβ-cateninのリン酸化と分解を促進してWnt依存性の体軸形成を抑制する。Axin自体もGSK-3βによってリン酸化されるがその生理的な意義は不明であった。そこで、動物細胞にAxinを発現させてGSK-3β阻害剤LiClやプロテインホスファターゼ2A(PPSA)阻害剤オカダ酸で処理したところ、Axinの蛋白質量は、LiCl処理により減少し、オカダ酸処理により増加した。さらに、Axin上のGSK-3βリン酸化モチーフを破壊した変異体を作成すると野生型Axinよりも半減期が短縮し、細胞をWnt刺激するとAxinが減少した。したがって、WntのシグナルはAxinを脱リン酸化して不安定化することにより、β-cateninの蓄積を促進する可能性が示唆された。Dvlは遺伝学的にWntのシグナルをGSK-3βに伝達しGSK-3βの活性を抑制すると考えられているが、その作用機構は不明であった。Dvlは、Axinと結合することや、Dvlの存在下ではAxin依存性のGSK-3βによるβ-cateninのリン酸化やGSK-3βによるAxinのリン酸化が抑制されることを見出した。Dvlの中央部のPDZ領域を欠損させた変異体を発現させた動物細胞では、Wnt依存性のβ-cateninの蓄積が起こらないことから、WntのシグナルはDvlのPDZ領域を通じてGSK-3βやβ-cateninに伝達されることが明らかになった。
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