研究課題/領域番号 |
11152228
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
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研究分担者 |
小倉 裕範 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (60304557)
土田 邦博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (30281091)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | アクチビン / アクチビン受容体 / PDZドメイン / WWドメイン / Smad / 神経シナプス / フォリスタチン |
研究概要 |
初期発生におけるアクチビン・フォリスタチン系の役割を明らかにするために、細胞内外におけるアクチビンの情報伝達系の制御機構を検討して次のような成果を得た。 1.アクチビンII型受容体と相互作用する分子による制御 最近、我々はアクチビンII型受容体の細胞内領域と結合する新規分子群ARIP(Activin Receptor Interacting Protein)を見いだした。その中の一つARIP1は脳に高い発現が認められ、5個のPDZドメインと2個のWWドメインを有していた。5個のPDZドメインの中で最もC末側に位置するドメインを介してアクチビン受容体と結合した。他のTGF-βファミリーのII型受容体やいずれのI型受容体とも結合しなかった。また、WWドメインとはアクチビン情報伝達分子であるSmad3と強く結合した。ラット海馬細胞の初代培養系で、ARIPはアクチビンII型受容体、Smad3及びシナプトタグミン(神経シナプス指標蛋白質)と共沈することから、アクチビン受容体とSmadがARIP1を介して神経シナプスにおいて複合体を形成して存在することを示している。この結果から、神経ネットワーク形成にアクチビンとその情報伝達系が深く関わっていることが考えられる。 2.新アクチビン結合蛋白質の同定 アクチビン結合蛋白質フォリスタチンには、3個の増殖因子結合モチーフ(フォリスタチンドメイン)が存在する。最近、我々はフォリスタチンドメインを2個しか持たない新規フォリスタチン様分子FSLP(Follistatin-like protein)を見いだした。FSLPは胎盤、副腎、肺、心血管系、精巣、卵巣などに広く分布していた。FSLPはC末側のフォリスタチンドメインを介してアクチビンと結合していることが分かった。発生過程における役割を検討するためにトランスジェニックマウスの作製を試みている。
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