研究課題/領域番号 |
11153201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
伊藤 英晃 秋田大学, 医学部, 助教授 (80168369)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 分子シャペロン / 熱ショック蛋白質 / ストレス蛋白質 / HSP |
研究概要 |
生命のセントラルドグマの最終ステップ、すなわち新規合成蛋白質や、高次構造の変化によって生理機能が低下した蛋白質固有の正しいフォールディングに関しては、原核生物においてはGroEL/GroES(HSP60/HSP10)が重要な役割をすることが多数報告されている。一方、真核生物、特に高等哺乳類の蛋白質のフォールディングに関しては、まだ十分には解析されていない。 哺乳類の分子シャペロンHSP90やHSP70が免疫抑制剤のサイクロスポリンやFK506等の間接、または直接のイムノフィリンとして機能することが報告されているが、哺乳類のHSP60は免疫抑制剤ミゾリビンと特異的に結合し、HSP60のシャペロン活性を抑制することを報告した(業績1)。HSP60もイムノフィリンとして機能することを示唆した初めての報告である。また、HSP90のシャペロン活性発現部位はN末端とC末端2カ所に独立して存在し、このうちN末端部位はATP依存型であり、抗癌剤のジェルダナマイシンによって特異的に抑制されることが報告されている。C末端側部位はATP非依存型であり、抗癌剤の1種であるシスプラチンが特異的に結合し、シャペロン活性を抑制することを報告した(業績2)。HSP90のシャペロン活性は独立した2カ所において発現され、各々異なった抗癌剤によって特異的に抑制される機構を初めて報告した。 また、組み替えDNAを用いて細胞にHSP72を高発現させた細胞株を作成し、虚血やシスプラチンの細胞毒性を解析した結果、コントロール群はほぼ死滅する条件下でHSP72を高発現させた細胞は生存しており、細胞にとって有害な環境下においてHSP72が細胞保護効果を有することを報告した(業績3)。さらに、各種疾患モデル動物を用いて分子シャペロンの変動等を報告した(業績4-6)。
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