研究課題/領域番号 |
11153207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
有坂 文雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (80133768)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 分子シャペロン / 繊維状蛋白質 / co-シャペロン / Far-Westernブロット法 / 偽復帰突然変異体 / バクテリオファージ |
研究概要 |
T4ファージの尾繊維形成に関与する分子シャペロン様蛋白質gp57Aはオリゴマ-蛋白質としては珍しくきわめて高度に熱変性や変性剤よる変性を行う。この蛋白質の解離会合に関する性質を調べることを目的として広範囲の濃度にわたって重量平均浮揚分子量を調べた。高濃度側ではレイリー干渉計、低濃度側は紫外吸収モニターを用いた。その結果、50倍の濃度領域にわたってデータを取ることが出来た。並行して低濃度側領域では220nmでの円偏光二色性による測定も行い、濃度が減少するに従って残基楕円率が減少した。沈降平衡の測定は種々の濃度の塩酸グアニジン存在下および10℃から40℃までの4点の異なる温度でも行った。その結果、本蛋白質の基本会合体は二量体であること、単量体は二次構造を持たないこと、20℃で低濃度側では2量体-6量体間の平衡にあり、高濃度側ではさらに6量体同士が会合していく傾向が見いだされた。しかし、40℃になると特に低濃度側では単量体の存在が顕著であった。他方、化学架橋試薬による架橋反応では3量体までのオリゴマーが顕著で4量体以上の会合体はごくわずかしか見られなかった。この結果は、基本会合体中では立体構造的な理由からリシン間の架橋がかからず、架橋は6量体中のC末端側領域でのみ起こると解釈された。これらの実験と同時にテイルリゾチームgp5のオリゴマー構造が解析され、gp5のC末端ドメインは同タンパク質のベースプレートヘの分子集合の過程で3量体を形成するのに必要であって分子内シャペロン的な機能を持つことが明らかになった。テイルリゾチームは感染時には単量体として外膜内に放出される。
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