研究課題/領域番号 |
11154207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多羽田 哲也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (10183865)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Dpp / モルフォゲン / 勾配 / リン酸化Mad / コンパートメント |
研究概要 |
ショウジョウバエの翅形成をモデルシステムとしてモルフォゲンが細胞の分化を制御する機構を理解することを目指している。本年度はDppモルフォゲンの活性を可視化する手段を用い、細胞がどのようにモルフォゲン・シグナルを受け取り、遺伝子発現のout putに変換しているかを探ることを試みた。Dppモルフォゲン・シグナルは転写因子Madによって核に伝えられる。MadはDppリセプターであるThick veins(Tkv)によりリン酸化を受けることにより核に移行し、転写複合体を形成し、ターゲットの転写を制御していると考えられている。そこで、リン酸化Mad(p-Mad)に特異的な抗体を用いることによってMadの活性化を指標としたDppモルフォゲンの活性の分布をin vivoで視覚化した。翅成虫原基におけるp-Madの分布は複雑なパターンを示す;Dppを発現する細胞の付近で最大となる勾配を形成しているが、Dppを発現している細胞そのものにおいてはシグナルは非常に低下している。このp-Madシグナルの低下はヘッジホッグによる直接的な制御によることが明かとなった。加えて、ヘッジホッグによるp-Madレベルの調節のターゲットが受容体tkvであることを明らかにした。さらに、tkvの発現は、前部コンパートメントで低く、後部コンパートメントで高くなっている。このことは後部コンパートメントにおいてp-Madで表わされるDpp活性の勾配が、前部コンパートメントよりも急であることと良く一致する。すなわち、Tkv受容体の発現量が多いと、より多くのDpp分子が捕捉されるためにDppモルフォゲンの勾配は急になると考えられる。ヘッジホッグはDppモルフォゲンの発現を誘導するだけではなく、その活性の勾配の形成にも直接働いている。モルフォゲンが他のモルフォゲンの勾配の形成をもプログラムする巧妙なメカニズムが明らかになった。
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