研究課題/領域番号 |
11154218
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐々木 洋 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (10211939)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | オーガナイザー / 脊索 / 遺伝子発現制御 / 原腸陥入 / Foxa2(HNF3β) / エンハンサー |
研究概要 |
脊椎動物の基本的な体軸パターン形成においては、オーガナイザーと脊索が重要な働きをしている。そこで、本研究では、それらの構造の形成に必須の転写因子であるFoxa2(HNF3β)のエンハンサー活性に関与する転写因子を同定し、その胚発生における機能を解析することにより、オーガナイザー・脊索の形成機構を明らかにすることを目的とする。まず、マウスFoxa2エンハンサーの中から、活性に重要な塩基配列を同定するために、種間でのエンハンサー配列の比較を行った。まず、ニワトリと魚(ドワーフグーラミー)のFoxa2をクローニングし、トランスジェニックマウスを作成してエンハンサーを同定した。種間でよく保存されている配列を3つを見いだしたが、その中でも特にConserved Sequence3(CS3)と名付けた配列がエンハンサー活性に必須であることが分かった。そこで、CS3に結合する因子を同定するため、マウス7日胚cDNAライブラリーを酵母one-hybrid法によりスクリーニングしたところ、DNA結合特性上CS3結合因子の候補となる、あるファミリーの転写因子を得た。それらの転写因子は7.5日胚において、Foxa2の発現領域であるオーガナイザー・脊索だけではなく、それを含むような背側領域で背腹の勾配をもって発現していた。この様な発現は、この転写因子がCS3結合因子であることを支持するものであるとともに、この転写因子がオーガナイザー・脊索に限らず、広く胚の背側組織の形成に関与していることを示唆する。この様な発現を示す転写因子はこれまでには知られておらず、未知の背側化機構が存在することが考えられた。今後、CS3結合因子の原腸陥入時の機能を明らかにすることにより、脊椎動物の背腹パターン形成に関与する新たな分子機構を明らかにできると期待される。
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