研究課題/領域番号 |
11154229
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
澁谷 浩司 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (30261324)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | TGF-β / Wnt / Smad / β-catenin / Lef1 / TCF / Xtwn / Smad4 |
研究概要 |
TGF-βファミリーとWntファミリーは共に生物の初期発生における形態形成や器官形成に関与していることが知られている。TGF-βシグナル因子であるSmadは受容体によりリン酸化され核へ移行、転写因子と複合体を形成し、標的遺伝子の転写を活性化する。一方、Wntシグナルが活性化されるとβ-cateninが細胞質内に蓄積し核へ移行、転写因子Lef1/TCFと複合体を形成し、標的遺伝子の転写を活性化する。 XtwnはWntシグナルによって発現誘導されることが知られている。Xtwnプロモーターの欠失変異体を用いた解析からXtwnのプロモーター活性にはLEF1/TCF結合配列を含む領域以外に、さらに5'上流側領域の関与が明らかになった。また、Xtwnのプロモーター活性は不活性型Smad4を発現させることにより顕著に阻害された。XtwnプロモーターへのSmadの結合を検討した結果、SmadがLEF1/TCF結合配列の5'上流側に結合することが明らかになった。次に培養細胞系を用いて相互作用を検討したところ、Wntシグナル依存的な内在性のSmad4とβ-cateninの複合体形成が確認された。また、Wntシグナルでβーcateninが核移行した細胞でのみSmad4の核移行が観察された。したがって、Smad4はWntシグナルによって核移行し、LEF1/TCFやβ-cateninと複合体を形成することにより標的遺伝子の転写を協調的に活性化していることが示された。 TGF-βシグナルの中心的な伝達因子として位置づけられていたSmad4がWntシグナル伝達系においても重要な役割を担っていることが示された。Smad4はXtwn遺伝子で限らず、多くのWntシグナル標的遺伝子に対しても関与していると考えられ、今後検討していく必要がある。
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