研究課題/領域番号 |
11155205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮山 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50133096)
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研究分担者 |
須磨岡 淳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10280934)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 核酸 / RNA / リボザイム / リン酸ジエステル / 加水分解 / ランタノイド |
研究概要 |
リボザイムは、生体金属イオンを用いてRNAを効率的に切断している。これまでに、ランタニド金属イオンが穏和な条件下で核酸を加水分解することを報告してきた。今年度は、基質RNAの構造に対する金属イオンの触媒効果について討した。まず、天然型RNA/DNA二本鎖中の一部領域をRNA一本鎖とし、ここにランタニド金属イオンを添加した。相補鎖側の天然型DNAにニックが入っただけでは、その位置でのRNAの切断は見られなかった。ここで、RNAの一本鎖領域の長さを徐々に長くすると、該当する領域での切断が見られるようになった。しかし、フリーのランタニド金属イオンでの切断効率を超えるには至らなかった。 次に、3'端、あるいは5'端にインターカレーターであるアクリジンを導入したDNA用いて、一本鎖領域の片側および両側にインターカレーターを配置した系についても同様の実験を行った。その結果、一本鎖領域の5'側からインターカレーターを配置し、一本鎖領域の長さを1塩基にした条件で、非常に強くRNAが切断された。Lu(lll)のみによる一本鎖RNAのランダムな切断、あるいは天然型のDNAを用いた系と比べても、大幅に切断活性が向上している。アクリジンがインターカレートしたことで、近傍の局所構造が変わり、2'OHのリン酸ジエステルヘの攻撃に特別に有利な状態になっていると推定される。このように、基質の立体的な構造の違いが、切断位置の決定に大きく依存することが明らかになった。このことは、リボザイムの作用機構を理解する上で非常に重要な知見を与えるものと思われる。
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