研究課題/領域番号 |
11156207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50111505)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 急速凍結電子顕微鏡法 / フリーズ・ディープエッヂレプリカ法 / アクチン / ミオシン・クロスブリッジ / コンフォメーション変化 / 3次元像再構成 / サブドメイン構造 / シミュレーション法 |
研究概要 |
筆者は、高い空間/時間分解能を有するマイカ細片急速凍結フリーズレプリカ電子顕微鏡法を駆使して、アクチンの滑り運動を起こしているミオシン・クロスブリッジの一瞬の姿を捉え、筋収縮や種々の細胞運動の源となる滑り運動の分子メカニズムを構造の面から追求してきた。既に、マイカ表面に吸着したアクチン・重メロミオシン硬直複合体にATPを添加する前後に急速凍結して得られた像を比較して、クロスブリッジのコンフォメーションに大きな変化があることを発表し、その後は、機能遂行中のクロスブリッジの詳細な3次元像の再構成を目指している。昨年度は、一連の傾斜像を用いたアニメーション表示により、原子モデルで見られるサブドメインの配置が明瞭に認識できることを示したが、今年度は、レプリカ像から3次元再構成するための手法がほぼ完成し、瞬間的に凍結されたいくつかのミオシン頭部粒子の像にそれを適用して、分子の立体構造を解析中である。蛋白質分子内のどの残基がどう配置すれば、電子顕微鏡像として観察された様々なコンフォメーションが実現するかを探るべく、その分野の専門家との共同研究を進めている。また、蛋白質の原子座標のデータを基として、その蛋白質粒子をフリーズレプリカ法で処理した時に観察されるべき像をシミュレーションする方法の開発も並行して進めている。アクチンフィラメントの実際のレプリカ像をシミュレーション像と比較してみた結果、微妙な表面プロファイルまで驚くほど良く一致しており、上記のフリーズレプリカ技術により、恐らく5Aに近い微細構造が識別されているものと推定される。一方で、新たな試料を急速凍結する計画も進行中である。アクチンに負荷をかけた条件におけるクロスブリッジの構造は張力発生の分子機構を探るための重要な情報を提供するであろう。さらに、様々なヌクレオチドを結合した状態でのミオシン頭部の構造の違いの解析も進めている。
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