研究課題/領域番号 |
11156211
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
安藤 敏夫 金沢大学, 理学部, 教授 (50184320)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | モーター蛋白質 / アクチン / ミオシン / ミオシンV / ATPase / 原子間力顕微鏡 / 化学・力学カップリングAFM / AFM |
研究概要 |
(1)アクトミオシンモーターの化学・力学カップリング 基板に固定されたへビーメロミオシン(HMM)上をアクチンフィラメントは滑り運動をする。HMMのATPase反応で獲得された化学エネルギーが力学エネルギーに変換されて、この運動が起こる。滑り速度、滑り運動中にHMMが発生している力が、このATPase反応とどのようにカップルしているかを現象論的に調べた。数種類のMgNTP、種々の二価金属イオンと結合したATPを基質とした場合、イオン強度を変えた場合について、同一条件下でNTPase反応のキネティクス、滑り速度、力を測定した。その結果、滑り速度は√<V_<max>K^A_m>に比例し、力は√<V_<max>/K^A_m>に比例するという実験結果を得た。アクトミオシンATPase反応では、アクチン・ミオシンは多くの時間弱い結合状態にあり、弱い結合状態から強い結合状態への遷移で力発生が起こると考えられる。弱い結合状態では負荷を発生し、この負荷と力が釣り合うことで滑り速度が決まるというモデルを基礎として理論的解析を行った。その結果上記実験結果をきれいに説明できた。過去の多くの実験結果もこの関係を満たすことが確認された。 (2)ミオシンVのプロセッシブ運動の直接観察 ミオシンVはその生化学的性質、細胞内での機能から、プロセッシブモーターであることが示唆されているが、実験的直接証明はなされていない。カルモジュリンを蛍光性カルモジュリンで置換することで、ミオシンV1分子の可視化に成功した。また、アクチンフィラメントの基板への固定方法に工夫を加えた。その結果、個々のミオシンVがアクチンフィラメント上をプロセッシブに運動し、B端まで達する様子が多数観察された。B端でもミオシンVは離れにくく、その結果、B端は時間とともに明るくなっていった。最大滑り速度は2μm/sec、最大ATPase活性は2/secであった。1ATPaseサイクルで500nmも滑ることになる。
|