研究課題/領域番号 |
11157205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸田 達史 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30262025)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 福山型先天性筋ジストロフィー / レトロトランスポゾン / 創始者変異 / 点変異 / FCMD遺伝子 / フクチン / 胎生致死 / 複合ヘテロ |
研究概要 |
福山型筋ジストロフィー(FCMD)は日本人に多い脳奇形を伴う常染色体劣性遺伝疾患である。我々はポジショナルクローニング法により原因遺伝子を同定し産物蛋白質をフクチンと命名した。87%のFCMD染色体が単一の創始者由来の同一のハプロタイプを示し、約3kbのレトロトランスポゾンinsertionが存在し、mRNA量が著しく低下する。 我々はさらにフクチン遺伝子変異を検索し、新たに4種類の変異を見い出した。 1)intron7におけるL1リピートinsertion、2)ミスセンス変異[Cys250Gly]、3)ノンセンス変異[Cys302Stop]、4)1塩基挿入によるフレームシフト変異[Phe39011e→403Stop](de-novo mutation)。 次に、107家系の解析症例において臨床症状を対比すると、insertionをホモに持っ症例の約90%が典型から軽症例であるのに対し、複合ヘテロに持つ症例の約90%は重症例で、水頭症や小眼球を呈するWalker-Warburg症候群(WWS)様の症例も含まれていた。一方、点変異を2個もつ症例は未だ見つからない。 レトロトランスポゾン変異ではRT-PCRレベルでmRNAは微量存在するが、点変異はフクチンの構造を大きく変化させうるため、表現型を重症化すると思われる。ゆえに点変異2個の患者が見つからないのは胎生致死の可能性がある。レトロトランスポゾン変異が日本だけのものであるなら、西欧では点変異2個であり(したがって胎生致死)、これこそが本症が西欧に存在しない理由であることを明らかにした。
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